車中泊で行く、日本クルマ旅先100選 礼文島

本州なら2000メートル級の山にしか生息しない高山植物が、海抜ゼロメートル地帯で花を咲かせる。礼文島はその特有の環境から、いつしか「花の浮島」と呼ばれるようになった。最盛期は6月から7月。この時期には固有種を含めて、約300種類の高山植物が花開くという。

もちろん礼文島の魅力は花だけではない。険しい断崖絶壁と樹木のない丘が続く西海岸には、他では味わえない「最果ての旅情」が漂っている。言い換えれば、この歩いて行くしかない環境が、今の景観と生態を守り続けてきたわけだ。

ところで… 稚内から礼文島・利尻島に、クルマとともにフェリーで渡ると、いったいいくらかかるかご存知だろうか。

ハートランドフェリーの運賃は、どちらか1つの島を稚内から往復するだけで約3万5千円、両方巡ると4万円を超える。この高額な費用がネックで、島には行かない、あるいは行ってもクルマは稚内に置いて行くという人はたくさんいる。

だが、筆者の経験から云うと、車中泊ができるならクルマで行くほうがいい。島内の路線バスは、料金が高いだけでなく本数が少ない。そのため、どこに行くにしても時間と体力のロスが大きく、使いたい荷物はほとんど持っていけない。そのうえ、島の天気は変わりやすく、1泊2泊程度では晴れ間に巡り会えない場合も少なくはないのだ。

我々夫婦が初めて礼文島を訪れたのは2008年の6月。この年は経費を切り詰めるために、バックパックにテントを詰め込み島に渡ったのだが、今にして思えば「あの頃は若かった」。

幸いにもこの年は、「たぶん、この日が今年で一番いい日になるだろう」と地元の人が太鼓判を押すほどの素晴らしい天候に恵まれ、実に爽快なハイキングを楽しむことができた。

しかし…

ちょうどレブンアツモリソウとレブンウスユキソウの端境期にあたってしまい、肝心の礼文島を代表する固有種に出会うことはできなかった。

上の写真のレブンアツモリソウは5月下旬から6月初旬、下の写真のレブンウスユキソウは6月下旬から7月中旬に開花期を迎える。

礼文島に高山植物が咲くのが6月であることは確かだが、上の2つの花を見たければ、中旬を外すことだ。ガイドブックやパンフレットは、そのことをもっとわかりやすく記すべきだと思う。島に一月近く滞在しない限り、一度でキレイに花を咲かせた両方の品種を見ることはできないのだから… おかげでその後2011年と2016年に、この島に足を運ぶことになった。

最後に礼文島の車中泊事情を語るとしよう。
まず、6月の礼文島は日が暮れると気温が10度以下になり、ダウンシュラフかFFヒーターがなければ寒くて寝られない日がある。2016年の取材時は2度まで下がり、朝方は写真ようなケアラシとなった。

次にネックになるのは食材と入浴だが、いずれの施設も島南部の香深にある。利便性が高いのはフェリーターミナルの無料駐車場だが、そこ以外で車中泊ができる場所としては、道道40号沿いの駐車公園と桃台猫台駐車場が挙げられる。

いっぽう北部では久種湖畔キャンプ場にシャワーがあるが、近くに生鮮食品を扱う店はないので、連泊するなら事前に用意をしていくほうがいい。他ではスコトン岬の駐車場でも車中泊は可能だ。ただ、いずれにしても連泊でのんびり過ごすには適さない。

なおこのページは、礼文島に車中泊で行くかどうか迷っている人を意識しており、その判断材料になる情報をセレクトして記載している。

実際に渡航するには、フェリーの便数から乗り場、さらにはマップや上のアザラシが見られるようなハイキングコースの見どころなど、まだまだ多くの情報が必要になると思うが、それらはいずれ、「クルマで旅する北海道」と、そのデータベースである「車中泊見聞録」の中で紹介していきたいと思っている。

それまで待てないという人は、2017年5月発売のカーネル本誌に10ページにわたって特集しているので、そちらを参考にお出かけいただきたい。

北海道のクルマ旅に興味がある方は、以下のサイトもご参考に。

クルマで旅する北海道

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