伊豆半島・前編 2016/日本一周の旅18

早朝の道が混まないうちに、熱海の取材を終えて、再び伊東に戻ってきた。今度は大室山のある伊豆高原に向かう。

伊東市のシンボルとも呼ばれる大室山は、標高580メートルの独立峰火山で、阿蘇にある「米塚」とよく似ている。

米塚

ただ米塚は80メートルしかなく、誰もがこうして上から見下ろすことができるのだが、大室山の全景は航空写真でしか見られない。

ならば、「行っても行かなくても結果は同じ」じゃないの?

さくらの里

奥のなだらかな小山が大室山。今回はたまたま桜の季節だったことから出向いてみたが、それがなければ「ここの、どこがいいわけ?」となっていただろう。

さくらの里 富士山

大室山の「いいところ」に気がついたのは、さくらの里を上から見ようと高台に少し登った時だった。

おおっ、富士山が見えるじゃないか!
ということは… もっと高い大室山の山頂なら、どのように見えるのだろう。

リフト

俄然ヤル気が出てきて、リフトに乗った。
そしてそこには、期待以上の光景が待っていた。

大室山 富士山

航空写真よりも、「こういう景観が東伊豆から見える」ことをガイドしてくれれば、もっとこの山に観光客は集まると思う。今のプレゼンはジオパークにこだわりすぎていて、肝心の「展望所」としての訴求が欠けている。

城ヶ崎

その後、城ヶ崎に立ち寄り、そのまま河津まで南下した。城ヶ崎は伊東で伊豆半島を引き上げる人は訪れたほうがよいと思うが、南伊豆から西伊豆方面に周るのなら、パスしてもいいと思う。

吉田松陰 踏海の朝

河津からは天城越えで修善寺を目指した。下田は昨年訪れ、既に取材は完了している。

ただ本来は、幕末に坂本龍馬や吉田松陰が訪れ、当時の遺構と雰囲気が色濃く残る下田に向かうことをお勧めしたい。ペリーが来航したことで有名だが、本当に面白いのはそれよりも、開国をめぐる幕末の志士たちのエピソードだ。

0302下田の道の駅2

なお、下田には屋根付きの駐車場がある道の駅と、総檜風呂としては日本最大級を誇る、混浴の「千人風呂」で有名な金谷旅館もあって、車中泊環境が揃っている。ここは何度訪ねても飽きることはない。

ループ橋

さて。写真は「河津七滝ループ橋」と呼ばれるドライブの名所だ。かつては山に沿って国道がつづら折れになっていた場所だが、1978年の伊豆大島近海地震による崩壊後、通行の利便性と高低差を解消する工法を採用して作られた。「なるほど」と思わせるユニークな発想である。

浄蓮の滝

♪寝乱れて 隠れ宿
九十九折り 浄蓮の滝♪

ご存知、石川さゆりの名曲「天城越え」にでてくる「浄蓮の滝」。その歌碑は「天城峠」でなく、ここにあった。

修善寺

そして修善寺に到着。
修善寺は807年(大同2年)に空海が創建したと伝えられているが、古文書を紐解くと、空海自らがこの地に足を運んだという記録は見当たらないそうだ。

また修善寺は、鎌倉幕府を開いた源頼朝の弟の源範頼と、頼朝の息子で鎌倉幕府2代将軍の源頼家が幽閉され、殺害されたところとしても知られているが、こちらは史実である。

思い起こせば、伊豆は頼朝が清盛によって「島流し」にされた場所であり、その当時に、修善寺に近い韮山で頼朝の世話をしていたのが北条氏である。鎌倉幕府というのは、平家を打倒し、頼朝が征夷大将軍につくまでの話は有名だが、その後の話はあまり聞かない。

実は前述のとおり、源家は早々に途絶えており、その後は頼朝の妻、政子の実家である北条家が実権を握り、執権政治を進めていた。ちなみに戦国時代に活躍する「小田原の北条氏」は、この北条氏とは別である。

筥湯

歴史的な話になると「ややこしくて頭が痛くなるばかり」の修善寺だが、温泉はいい(笑)。2000年に復活した写真の筥湯(はこゆ)は、なんと350円。温泉地だらけの伊豆でも、この値段で入れるところはそう多くない。

しかも、訪れるほとんどの日帰り観光客は「入浴セット」など持ち合わせていないため、写真のように空いている。

だるま山レストハウス

既に夕方近くなり、再び空模様が怪しくなる中、筆者は進路を西にとって、昨年できたばかりの道の駅「くるら戸田」を目指した。写真はその道中に立ち寄った「だるま山レストハウス」から見た富士山。午前中の晴れ晴れした姿と違い、こうなると「もう、どうでもいい写真」になる(笑)。

壱の湯

さて、この温泉付きの道の駅は、昨年の取材時にはまだオープンしておらず、撮影することができなかった因縁の施設。そのため、今回は是が非でも調査しておく必要があった。

というのは、ここは西伊豆のベスト車中泊スポットになると思われるからにほかならない。

くるら戸田

この道の駅の誕生で、伊豆半島は東の伊東、南の下田、そして西の戸田と、適度な位置に道の駅が配置され、誰もが安心して車中泊のクルマ旅が楽しめる場所になった。

関東と近畿・東海の中間に位置し、富士山にも近いことから、もともとロケーションには恵まれている。それだけに、今後はますます人気が高まるだろう。

マッサージ

最後に30分2000円とお値打ちなマッサージを受けて、伊豆半島の旅はおしまい。これはかなりお勧めだと思う(笑)。

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