車中泊で出るゴミは「産業廃棄物」

昔から車中泊の旅人が一番アタマを痛めてきたのは、他ならぬゴミの処分であろう。よく「ゴミは持ち帰り」と書かれた施設や、車中泊関連のウェブサイトや雑誌上で、それを推奨している表記を見るが、誰でもそれができるのならアタマを痛めたりはしない。

一週間以上、いや3日目ともなれば、家を出てからのゴミを車内で保管しておくことは現実的に難しくなる。同じ啓蒙するのであれば、その時の答えを用意しなければ「机上の空論」。誰も真に受けないのは当然だ。むしろ旅人の信頼を失い、心は遊離していくに違いない。

道の駅風穴の里

持ち帰りできるならそれがベスト。
長旅等で無理な場合は、 産業廃棄物として処理してもらえる施設に依頼する。  

車中泊のゴミについては、これが正解だと思う。
北海道の無料キャンプ場や、長期間滞在する旅行者の多い観光地の無料駐車場の中には、自治体指定のゴミ袋を購入すれば、市民と同じように回収してもらえるところも無くはない。だが、それはレアケースで、あくまでも地元住民がその旅人の「人格を見て判断した」親切行為によるものだ。ゆえに貴方にも同じようにしてくれる保証はない。

ゴミ箱

旅人の中には、未だに公共施設である道の駅にゴミ箱が設置されていないところがあることに、強い不満を抱いている人がたくさんいる。

だが、それは良識のある旅行者なら当然である。なぜなら旅の途中で出るゴミは、同じ菓子パンの空袋でも、家庭ゴミとは明らかに異質だからだ。

上の上の写真は、長野県にある「道の駅・風穴の里」だが、このように気持ちよくゴミ箱が置かれた道の駅は、そのことがよく理解できている証だろう。ちなみに上の写真は、同じ長野県の「道の駅・ホットパーク浅科」。このように、ゴミ箱の有無は自治体ではなく、個々の道の駅の判断で決められている。

さて。家庭ゴミの正式な定義は公に存在しないようだが、下の「道の駅・丹波マーケス」に置かれたゴミ箱に書かれている通り、一般的には「一度家庭に持ち込まれたゴミ」、つまり「自宅で合法的に処分することができるゴミ」と解釈されている。

家庭ごみの説明

であれば、長期にわたり車中泊で転々と旅をする中で、ある時は車内、ある時は道の駅やキャンプ場で発生するゴミが、それとは根本的に違うのは明白だ。  

ただ、このゴミ問題をきちんと理解するには、少し法律のことを知る必要がある。

まず、現在の日本はゴミの処分が全て有料になっている。家庭ゴミの廃棄には、市が指定するゴミ袋の使用が義務づけられており、その購入代金が処分費用に充てられているわけだ。つまり、家庭ゴミを上記の方法で処分せず、コンビニや道の駅のゴミ箱に捨てるのは違法になる。

20151203キャンプ場

いっぽう、コンビニやサービスエリアで出るゴミは、業務上に現場で発生したゴミとして産業廃棄物扱いとなり、施設が料金を支払って処分される。 現にキャンプ場ではそうしているわけで、筆者が云う「旅行ゴミ」は現行の法律では産業廃棄物として処分される類のものなのだ。

20151203きららあじす

したがって「家庭ゴミの持ち込みはお断り」と書かれたゴミ箱に捨てても、ゴミの区分上は問題ない。 ただし許可なく捨ててよいかどうか、また無料か有料かはまた別の話になる。  

今の段階でできる確かな旅行ゴミの処分方法は、ゴミ箱を置いてある施設のスタッフに、捨てても良いかを聞くことだ。もし家庭ゴミと間違われているようなら、クルマのナンバープレートを見せて事情を説明すればいい。

またコンビニやスーパーでは、先に買物をしてから許可を得るようにすれば、まず断られることはあるまい。

20151203コンテナ

さらに、よくリアラダーにゴミ箱を設置しているキャンピングカーを見かけるが、バンコンやミニバンで車中泊をする場合は、バックドアキャリアやサイクルキャリアを取り付ければ、必要に応じて折り畳み式のコンテナでゴミを持ち運びすることができる。

筆者は単に「啓蒙」するだけではなく、このように具体的な車中泊のゴミ対策を公表している。しかし、旅行者にコレ以上のことを求めるのは、もはやナンセンスだとも思っている…

そもそも、クルマ旅や車中泊の環境改善を先頭に立ってやるべきなのは、それを生業にしている業界だ。
たとえば、ゴミ箱の設置に消極的な道の駅に、嫌でもゴミ箱を設置せざるをえなくするのは、政治力があればいとも容易い。道の駅の認定条件である24時間利用できる駐車場とトイレに、ゴミ箱を書き加えてもらえばいいだけだ。

マックスバリュー

またRVパークのようなチマチマしたことをやらなくても、RV協会がイオンかヨーカー堂と提携して、24時営業している店舗の駐車場での車中泊を公に認めてもらえば、車中泊スポットのガイドブックは劇的に変わる(笑)。

なぜなら、そこにはトイレやゴミ箱のみならず、食料品売り場からイートインまで、車中泊旅行者が望む多くのインフラが揃っているからだ。地方に行けばコインランドリーが隣接するところもよく見かけるし、日帰り温泉施設が併設しているところもある。

天神屋

サービスエリアが何だかんだ言いつつ、シャワーやコインランドリー設備を増やしているのは、「儲かるから」にほかならない。新東名高速のサービスエリアには、既にその専門店である「天神屋」がすべからく出店しているのだ。

であれば、設備投資が限りなくゼロに近い流通店舗が名乗りを上げれば、即刻利益アップに通じるのは確実だ。スマートというのは、こういう時に使いたい言葉である。

トヨタやイオン出身の議員さんには、そういうダイナミックな発想を持ってロビー活動をお願いしたいもの。連合とイオングループに大きな影響力を持つ民進党なら、けして不可能ではないとも思えるのだが…(笑)。

スポンサードリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする