兵庫縦断の旅3 龍野・姫路城・但馬/2015年11月  

日の話は昨日の続きだ。
日生でしっかり牡蠣を仕込んだ次は、姫路に向かう前に龍野に寄った。

この町は関西人なら誰もがよく知る「薄口醤油」発祥の地であり、そうめん「揖保乃糸」の故郷でもある。筆者が中国・九州方面にでかける際は、山陽道の龍野西SAで前泊車中泊をすることが多いのだが、いつも素通りばかりで、なかなかここに足を運ぶ機会には恵まれなかった。

うすくち龍野醤油記念館

写真は、うすくち龍野醤油記念館。かつてのヒガシマルの醤油工場をミュージアムにしているのだが、入場料はわずか10円。昔ながらの醤油づくりの話や道具がわかるコスパの高い施設である。中ではこんなファンタジックな光と遭遇…

ヒガシマル カレーうどんスープ

ここでは、うどんスープ「のれん味」というミュージアム限定アイテムを販売しているのだが、それよりも気になったのがこちら。初めて目にしたカレーうどんスープの元を合わせてゲットしてきた。

龍野城

播磨といえば、記憶に新しいのが大河ドラマ「軍師官兵衛」。この龍野城はドラマに何度か登場し、土器山(かわらけやま)の戦いで、官兵衛を窮地に追い込んだ赤松政秀の居城だった。ちなみにその子供である赤松広秀は、あの天空の城「竹田城」の石垣を築いた武将として知られている。

姫路城

さてようやく時間も3時をまわり、姫路城へと駒を進めることにする。今回は紅葉が絡んだライトアップの撮影が目的なので、あえて遅い時間にやってきた。

姫路城大発見アプリ

姫路城ではスマホユーザーを対象に「姫路城大発見アプリ」なるものを作り、CGを駆使して若者を和ませているらしいのだが、実際に現場でこんなことをやっていたのは筆者だけだった(笑)。

姫路城 官兵衛

姫路城は羽柴秀吉が黒田官兵衛と出会い、戦国時代を駆け上がっていくきっかけとなった城だが、軍師官兵衛の放送までに平成の大修理が間に合わず、結局昨年は天守が見れないままの状況が続いた。もっともそのおかげで「特別企画展」が行われ、面白いものを見ることができた。

20151129姫路城 千姫

実は世界遺産である現在の天守は、官兵衛や秀吉当時のものではなく、関ヶ原の戦い後に、家康の娘婿であった池田輝政が築城したもので、実際の見どころはその時代以降に多く残されている。

中でも特筆すべきは、西の丸にある千姫ゆかりの化粧櫓だろう。記念切手にもなっている千姫は、徳川家康の子・秀忠と織田信長のめい・お江の間に生まれた長女で、三代将軍・徳川家光の実の姉にあたる。そして御存知の通り、政略結婚により豊臣秀頼に嫁いでいた。
だが、慶長20年(1615年)5月に起きた「大坂夏の陣」の際に、燃え盛る大坂城からただひとり救出される。

化粧櫓 姫路城

そして秀頼自害から一年後、千姫は姫路城の主となっていた本多忠政の嫡男、忠刻と再婚する。
忠刻は大変な美男だったといわれ、千姫が大坂城から江戸城へと帰る途中、桑名の渡りを指揮していた忠刻に一目ぼれをしたとも伝えられているようだが、当時の将軍家一門に今のような恋愛結婚が叶うはずはなく、実際には家康の命によって決められたものだったのだろう。
姫路城三の丸には、武蔵野御殿と呼ばれる千姫の屋敷も建てられていたといわれている。なお、写真は昨年の秋に見られた展示で、天守が完全復活した現在は見ることができない。

だが、これは今でも見ることができる、「知られざる光景」だ。

姫路城ライトアップ

 姫路城は夕方5時に閉門されるため、場内からライトアップされた勇姿を見ることはできないが、隣の好古園からチラッと紅葉絡みの天守が見える。ただし好古園が夜間開放されるのは紅葉時期のごく僅かな期間だけだ。
なお、ヘッダーのまさに白亜という表現が相応しいライトアップ画像は駐車場から撮影したもの。姫路城は障害物が多く、少し離れた場所からのほうがよく見える。

好古園ライトアップ

ちなみに好古園は、京都のお寺と違って、夜間も別料金にはならない。姫路城だけの見学が1000円で共通券が1040円。姫路城に隠れているが、ここの庭はぜひ一緒に見ておきたいお勧めのスポットだろう。

この日は6時過ぎに播但道で但馬まで移動。予定通り道の駅・但馬楽座で車中泊をした。ここまでは計画通りだったのだが、翌朝は見事にアテが外れた。

20151129竹田城

見たかったのは、こういう竹田城ではなく、こちら。

竹田城雲海

3度目にして初めて雲海のない竹田城にあたったのだが、立雲峡にできた無料駐車場は「満車」とのことで、手前で停止させられ、そのガードマンから有料駐車場に案内されそうになった。
そこで「今日は雲海が見れるのですか」とわざとらしく聞いたら、初めて見られませんとの回答… そりゃ説明する順番が逆だろう! 

嘆かわしいことだが、これでは何人もがその犠牲になっているに違いない。今は雲海に浮かぶ城が見たい人には、岡山県の備中松山城のほうがお勧めだ。

そんなわけで朝から時間が余ってしまった。
このあとは湯村温泉に出るつもりだったので、共同温泉の薬師湯の営業時間を調べてみると、朝の6時から開いている。ならば問題はない。

湯村温泉 温泉卵

到着後、時間があるので温泉卵を作ることにした。お店のおばちゃんは10分と言ったが、湯村温泉の源泉温度は94度と高温のため、それでは黄身まで固くなる。半熟で仕上げるには8分ほどでよさそうだ。

白鷺

城崎温泉、道後温泉、ほかでは確か下呂温泉もそうだったと思うが、温泉発見の影には傷ついた白鷺が川底から湧き出る温泉で足や羽を癒やしたという伝説が残されている。そんなことを思いながら見ていると

一瞬にして奴は飛び、

20151129白鷺2

ガッと水中に首を伸ばしたと思ったら

白鷺捕食シーン

見事に獲物を捉えていた。

なんと素晴らしい! もちろんその瞬間を予見して、カメラを構えていた筆者のことだ(大笑)。

ただしカワセミを追いかけている「鳥屋」であれば、サギくらいならたぶんみんな喋りながらでも撮れると思う。

湯村温泉薬師湯 駐車場

最後に。湯村温泉の薬師湯は400円で駐車場料金も2時間まで無料になる。またこの駐車場は夜間最大600円で、敷地の中に24時間利用できるトイレがあるので車中泊も可能だ。当たり前だが、車外で調理などのキャンプ行為はできない。ただし、すぐ近くに草太園地という安いキャンプサイトがある。

あまるべ鉄橋

その後、浜坂を取材して香住へと向かった。ここには道の駅・あまるべがあるのだが、久しぶりに行って驚いた! 

あまるべ鉄橋 空の駅

そこには新しく「空の駅」なるものができていた。去年はまったくそういう工事もしていなかったのだが… こういうことがあるので、もう写真があるから大丈夫とはいかないのだ。

香住セコガニ

ここで筆者はズワイガニのメスであるセコガニをゲット。産地でも3匹1000円は底値に近い。しかもこの道の駅のセコガニはどれもズシッと重く身が詰まっていた。浜坂では1匹580円したが、やはりパスして正解だった。

香住 にしともカニ市場

香住の目的地はココ。観光バスがやってくるカニの直売店だが、ここにはほかにはないお勧めの一画がある。

香住 にしともカニ市場BBQ

こんな感じで、松葉ガニの焼きガニを手ぶらでリーズナブルに味わえるのだ。他にもイカやエビ、ご飯、味噌汁などがあるので、ちゃんと食事にしたければそうすることも可能だが、ちょっとオヤツ程度に食べるには、セットよりもこういう単品のほうがいい。

焼きガニ

筆者は松葉ガニは焼いて食べるのが1番好きだ。もちろん生を買って自前で焼く機材を車には積んでいるが、それをやるにはシェルターを持参するか昼間でないとさすがに寒い。となると大掛かりになる。これでコンロ代金500円を加えて、夫婦で3300円。この店はドリンク持込OKで、道の向かいはトイレ付きの無料駐車場になっている。ただしキャンピングカーでのキャンプ禁止と書かれているので、車中泊がしたい時は、お店に相談をするといいだろう。

道の駅では、もはや「車中泊」と「キャンプ」は別物という認識が定着している。ゆえにキャンプが禁止でも車中泊はできるというのは屁理屈ではなく正論のようだ。

むしろ今後は、それをきちんと区別ができない側が「勉強不足」・「認識不足」と揶揄されるようにならなければ、まっとうに車中泊をしている人間のフィールドは広がらない。

ちなみに12月5日には香住港の大量かに祭りが行われるが、現地に行ってみるといい。どんな観光地でも、宿泊施設が足りず予約客を断っているような状況で、家ごと持ってきてくれる上客を断りたいとは思っていない… 大半はちょっとした「ボタンの掛け違い」になっているだけで、近い将来解決の糸口が見つかるだろう。どう考えても、日本でいちばんアテになるのは日本人客なのだから…

香住ガニ

最後に筆者が買ったのは、地元では香住ガニと呼んでいる紅ズワイガニ。香住で穫れる松葉ガニの15分の1ほどの値段なのだが、鍋で食べるなら、価格ほどの差はなく十分美味しい。なんでもかんでも松葉ガニではなく、カニも食べ方で使い分けるとコストは面白いほどダウンできる。また庶民が愛するロシア産のズワイガニも、安くて美味いお買い得品だ。冷凍の肩ガニの大半はロシアで水揚げされたもので、楽天などでガンガン宣伝しているのと変わらない。

車中泊 カニ鍋

筆者は鍋は暖かい車内でお酒と一緒にゆっくり食べる。匂いは換気扇と昨日紹介したプラズマクラスターがあればまったく心配ない。

気比の浜キャンプ場

この日の車中泊は、城崎温泉から3キロほどのところにある気比の浜キャンプ場。キレイな炊事場と水洗トイレがあって、この時期は無料開放されている。炊事場が使えるので、カニをさばいたり洗ったりできる最高のスポットだ。

ただしゴミは持ち帰りになる。筆者はこういう時のために、テールゲートにキャリアを積んでいる。

いずれにしても「初期投資」あっての話だが、揃えてしまえばこういうクルマ旅が楽しめる。交通費を除けば、カキ食べて、世界遺産を堪能して、温泉に使って、カニまで食べても夫婦で1万円ほど。旅の詳細ルートは、有馬温泉を加えて2016年9月発売のカーネルで紹介する予定でいる。

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