アカウミガメの産卵地 和歌山県みなべ

バブル崩壊後の日本では自然との共生意識が根付き、手付かずの海岸線の乱開発は、ほぼ収束を迎えている。とはいえ、ネイティブのウミガメには、世界遺産の屋久島や小笠原にでも行かなければ、まずお目にかかることはあるまい… 大阪湾や東京湾を見慣れた都会人は、ややもすればそう思いがちなのだが、実は今でも西日本の太平洋側では、夏場にウミガメの産卵が数ヵ所で確認されている。

日本ウミガメ協議会の産卵地マップ

ウミガメの子供

日本にやってくるウミガメのほとんどはアカウミガメだ。その生態にはまだ未知なる部分が多いようだが、最近では、日本列島で生まれた子ガメが、2~3年かけてアメリカ西海岸やメキシコ付近へ渡り、20年ほどたって成熟すると、再び日本へ産卵に向かうということが分かってきた。その後、成熟体のグループはアメリカではなく東シナ海付近へ回遊し、産卵シーズンが訪れると、集団で再び日本へ向かうと考えられている。

 ウミガメの産卵

ウミガメの産卵は夜間に行われる。
卵は水に浸かると死んでしまうため、親ガメは高潮線よりも上の砂地を目指して必死に這う。上陸して卵を産み、海へ戻るまでは約2時間、産卵中に涙を流すのも無理はなかろう。だが、ウミガメは音や、におい、あるいは光に敏感で、危険を察知すると産卵をやめる。観察によれば、上陸したウミガメのうち、約半数は産卵せずに海へと戻ってしまうそうだ。ちなみに、ウミガメの産卵期は5月から8月に及び、6月下旬から7月上旬がピークにあたる。

千里の浜

これから紹介するアカウミガメの産卵地は、和歌山県の南部(みなべ)にある千里の浜だ。南部は南高梅の梅干づくりで有名なので、名前を聞いたことがある人も多いだろう。

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千里の浜は全長約1.3キロの狭い浜だが、海岸中央部は背後に青松の丘が迫っているため人工物がない。ウミガメは街灯のあるところを嫌うといわれているが、それは孵化した子ガメが、明るさで海の位置を知るからだという。子ガメは夜を待って海に向かうが、自然界では夜は海面が月や星の明かりを反射するため、陸地に比べると明るく見えるのだ。しかし人工灯があると、子ガメは方向を誤ってしまう恐れがある。

九十九里浜

さて。ウメガメの上陸を確認するには、ペンライトのか細い明かりを頼りに漆黒の渚を丹念に歩いて見まわるしかない。そのため遠州灘や九十九里浜のような長い浜では、観察員が大変な距離を歩かなければならず、定例の観察は物理的に困難を極める。

千里の浜

それに比べ、往復しても約2.6キロしかない千里の浜は、観察に適した環境を有している。加えて本州では1平米あたりの上陸数でトップを誇るため、ハイシーズンには一晩で5~10個体のウメガメに出会うことも珍しくはないようだ。ここでは浜を12のブロックに分け、毎日3.4名のボランティア観察員が交代で産卵の観察会を運営している。

なおウミガメの観察には、みなべ教育委員会の許可が必要とのこと。手続きは簡単なので、「なんでやねん?」なんてヤボな事は言わず、こちらのサイトにアクセスして、粛々と作業をしてくれたまえ(笑)。ついでに、禁止事項にも目を通しておこう。

ちなみに現地でその許可書を確認されることはない… 
つまり、今年はこんなに多くの人が南部のウミガメ観察会に訪れているというデータ作りに使われているのだろう。でもそれが千里の浜の環境維持に役立つのなら、多少の手間でも協力すべきと考える。筆者が出会ったボランティア観察員は誰もが親切で熱心だった。ギャラは出ないにしろ、せめて高品位な赤外線ライトや休憩場所の整備費などの予算確保に通じることを祈りたい。

永田浜

いっぽう、屋久島の永田浜では、ウミガメ観察に「協力金ひとり800円」なるものを徴収し、実質的に有料化している。有料化するから、偶然観察会のない日に浜に出ようとすると慌てて見張りの人が飛んでくる… 観察会の有無や、浜辺に行く目的にかかわらず、夜間の永田浜への侵入を「全面禁止」にしているのだから、これでは「事実」がどうであれ、自然の私物化、保護と言う名の観光ビジネスと言われたって仕方があるまい。そのうえ撮影禁止なのだから荒っぽい。 

アカウミガメ

ストロボ撮影禁止なら分かるが、今の一眼レフはISO感度が6400くらいにはできるわけで、この写真は三脚も立てず、動くウミガメをスタッフの赤外線ライトだけで撮影したものだ。千里の浜では「ちゃんと撮れるなら撮影OK」、永田浜は「とにもかくにも全面禁止」。運営側のマナーがなってないのは、どうみたって永田浜の方であろう。
念のために断っておくが、スマホのカメラでウミガメはまず撮れない。しかも焦点距離が短く、やたらとウミガメに近づこうとする人が本当に多い。でもそれはちゃんと撮れる人の邪魔になるだけで、マナー知らずの悪行でしかない。運が良ければ、現地で気の短いマニアのおっちゃんに罵声を浴びせられ、身を持ってそのことが学べる(笑)。シャッターチャンスの少ないネイチャーフィールドは、普段温和な人でも目付きが変わるところであることをお忘れなく。

最後に… 千里の浜には一晩中ウミガメの観察ができる車中泊スポットがある。このコンテンツはまさに車中泊向きなだけに、興味のある人は、こちらのサイトをご参考に。

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パークゴルフ

 

北海道を旅したことがある人はよくご存知だと思うが、パークゴルフは1983年に、「公園で幅広い年代の人ができるスポーツ」として、北海道十勝支庁幕別町で考案された。
そのためコースは圧倒的に北海道に集中しており、30年経った今でも本州ではほとんどその名を聞くことはない。つまり、大半の人にとってパークゴルフは、北海道旅の途中に楽しむスポーツなのである。

パークゴルフ1

日本には様々なゴルフがあるが、パークゴルフは1本のクラブしか使わないものの、ティーグランドからフェアウェイ、ラフ、バンカー、そして本当のゴルフさながらにピンの用意されたグリーンに向けてショットを放ち、最後はカップに入れてホールアウトする。ちなみにスコアはハーフがパー33。パー3のショートホールが多いものの、9ホールの中にはパー5のロングホールもあって、かなりの点で本当のゴルフに近いものがあるといえる。

パークゴルフ

パークゴルフの良さは、全くゴルフ経験のない女性でも、数ラウンドこなせば、それなりに楽しめる点にある。裏返せば… 本当のゴルフで100が切れる程度に回れるのなら、容易にパープレイができるともいえる。これまでは縁のなかったバーディー、イーグル、そして時にはホールインワンなんて言葉が飛び交うのだから、そりゃハマらない方がどうかしている(笑)。

しかし… 18ホールで60台というレベルでは、コンペじゃ予選も通らないという。パークゴルフの「上手」とは、1ラウンドを50台、最低7アンダーで回れる人を指して呼ぶ。ゴルフをする人なら分かると思うが、パー3は1つミスをすれば即ボギーに通じる。そのホール数が多いということは、それだけスコアメイキングは難しく、ハーフを20台のスコアに抑えるには、ショット・パットともにかなりの精度が必要だ。

パークゴルフ2

ただ嬉しいのは、本当のゴルフと違って料金は驚くほど安い。有料でも500円程度のコースがほとんどで、北海道には無料のコースもたくさんある。道の駅に隣接するコースでは、食事や入浴との格安セット券があるところも多いので、その有無を最初に確認をするといい。
加えて、予約がいらないため、いつでも手軽にラウンドできる点も旅向きといえるだろう。マイクラブを持参すれば、レンタルの有無を気にすることもない。特に筆者のようなレフティーは買ってしまうほうが無難だろう。

興味が湧いた方は、下のサイトを参照に。

日本パークゴルフ協会

万博公園パークゴルフ場

 PS
このサイトを見て驚くべき発見があった。 なんと筆者の自宅からクルマで10分ほどのところに、公式コースができているではないか… まさに、灯台下暗しであった。

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あり得ないでしょ。「車中泊禁止」のキャンプ場

今年の北海道取材では、低料金のキャンプサイトを意識的に数多く回ってきたのだが、驚くようなルールのキャンプ場があったので紹介したい。キャンピングカーに向かって、堂々と「車中泊お断り」を謳うキャンプ場とは、ひがしかぐら森林公園。東神楽温泉「森の湯花神楽」と高規格サイトの「ひがしかぐら森林公園オートキャンプ場フローレ」が併設する、昔ながらのキャンプ場である。

ひがしかぐら森林公園

データベースにも記載したが、この手のキャンプ場で「オートキャンプ禁止」というのは特段珍しいことではない。だが、車中泊禁止というのは、おそらくここだけだ。

施設側の理屈は、別にオートキャンプ場があるのだから、キャンピングカーはそちらを使えばいいということだと推測できるが、同じ北海道でも上富良野町の日の出公園や美深、別海、あるいは弟子屈の桜ヶ丘森林公園等々、高規格サイトとフリーサイトの両方を有する他のキャンプ場では、どちらのサイトを選ぼうとユーザーの自由だ。つまり、ここのような「無理強い」はしていない。

2014820シェルター

写真のようにテントサイトにシェルターを張り、そこで食事や団欒をして、テントではなくクルマで寝るキャンパーはたくさんいる。にもかかわらず、そういうキャンパーの受け入れをここではハッキリ「NO」と言っているわけだ。

2014820リアゲート

 昨今巷で議論を呼んでいるのは、どこの中で寝るかではなく、こういった「キャンプ行為」の是非である。そして、これが堂々とできるところはキャンプ場以外には無いというのが、もはや世間のコンセンサスといっていい。

にもかかわらず、キャンプ場がクルマで寝る人には施設を使わせないなんて理屈がまかり通るはずがない。もっと言えば、そもそもオートキャンプ場自体が車中泊にフィットする施設ではない。論より証拠に、大半の区画オートサイトでは、駐車スペースは雨水がたまらないようわざと傾斜させてある… すなわち、最初から「そこで車中泊をする想定はない」。

2014820道の駅

こういった暴挙が現実に存在するのは、施設側が勉強不足・認識不足であること以外に理由は見つからない。

おそらく過去にも利用客が文句というか、当たり前の疑問をぶつけてきたのだろうが、それを「無視」し続けてきたからこそ現在がある。これでは、嫌なら近くの道の駅ひがしかわに行けと言っているようなもの。道の駅に行ってみると、まさに「案の定」である(笑)。

一部の道の駅でもそうだが、ユーザー側に強くマナーや規制を求めておきながら、自分たちができていないケースは少なくない。だがそれを一個人が覆すことなどできはしない。

もうそろそろ、そういうことを一元的に合法的に解決する機関、例えば「日本車中泊協会」のようなものが必要なのでは。そしてそれは、日本RV協会の果たすべき役割だと思うのだが、いかがかな。

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