寒さ対策の基本は、「暖房」ではなく「防寒」
スキーやスノーボード、あるいは登山や釣りなどのアウトドアをする人間からすれば、夏に比べると厳冬期の車中泊はラクなものだ。暖かく眠る方策はいくつもある。
夏の車中泊と同じように、冬の車中泊も考え方を変えればいいだけ…
答えは「暖房」ではなく「防寒」だ。
冬の車中泊に立ちはだかる「3つの壁」
「3つの壁」とは「冷え込み」「凍結」「積雪」を意味するが、残念ながら、今のところ車中泊でこのトリプルスリーを一気に解決できる名案はない。
ゆえに、それぞれに対して個別の方法で対処していくわけだが、一番の難敵は安眠を妨げる「冷え込み」だろう。「冷え込み」は、雪国に限らず、日が落ちればどこでもすぐに襲ってくる。まずはその対策を万全にし、それから「凍結」「積雪」へと話のコマを進めていこう。
ただし、その前に理解しておくべきことがある。
車中泊の冷え込み対策は、装備によって大きく異なる。わかりやすく言えば、FFヒーターを搭載するキャンピングカーは「暖房」、ミニバンのような未改造車は「防寒」だ。
極端な話、同じ氷点下のゲレンデで車中泊をしていても、エンジンを切った状態でヒーターが使える左のキャンピングカーの中では、スウェット上下に毛布1枚で十分眠れる。いっぽう右のフレンディーの2Fでは、ダウンシュラフに首までもぐり、頭もフードで防寒しなければ髪の毛が凍る(笑)。
だが、悲観する必要はまったくない。
登山家はテントで雪山に向かい、防寒だけで氷点下の夜を切り抜けている。そんな彼らを支えているのは、確かなアウトドアの知識と、信頼できるメーカーのキャンピングギアだ。それをクルマで真似ればいい。
降雪時のアイドリングは「自殺行為」
エアコンの利用は、基本的に「夏の車中泊の暑さ対策」で書いたことと変わらない。ただし冬は、それが「死に直結する」危険性があることを覚えておくほうがいい。
降雪でマフラーが埋まれば、排気ガスが車内に流れ込み、一酸化炭素中毒に陥る場合があり、ゲレンデや雪国ではそれで命を落とす人が今も後を絶たない。今は雪山でなくても、暴風雪により国道で立ち往生させられることが現実にある時代だけに、他人事では片付けられない話だろう。
なお、このコンテンツは「車中泊の安全対策」の中でも、最重要項目にあたるため、さらにページを割いて詳細を解説していくことにする。
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