カーネル流「車中泊マナー10ヶ条」

ここでは、さまざまなスタイルで車中泊を楽しむ人達に共通する、「心得」と「着眼点」に焦点を当てた、カーネル流「車中泊マナー10ヶ条」を紹介しよう。

「車中泊マナー10ヶ条」は、カーネル創刊期に寄稿されていた武内隆氏が、2012年に提言されたものをベースに、筆者が微修正を加えて、カーネル別冊の「車中泊コースガイド・シリーズ」に掲載しているものである。

気持ちのよい車中泊を、末永く続けていくために

武内氏の言葉を借りると、車中泊の目的も、場所も、時期も異なるさまざまな旅行者をひとまとめにして、あれはいけない、これはいけない、というマナー10ヶ条は適当ではない。

車外での炊飯ひとつとっても、その場所が多くの車が出入りする道の駅か、車外炊飯もどうぞといってくれる道の駅か、一般の人はあまり来ない広々とした河川敷か、などによってそれがマナーとして許されるか、許されないかは異なってくる。

大事なことは、自らがどんな場面でも自信を持って判断を下せる「基準」を持つということなのだ。車中泊をする場合に特に気をつけるべきこと、マナーの基本的な考え方を身につけておけば、どんな場合でもそれなりに応用が効く。

【車中泊のマナー10ヶ条】

1.ルールのあるところではルールに従う

2.周囲にいる人達に迷惑をかけない

3.その場所の所有者・管理者の意向を推察し、それにこたえる行動をとろう

4.近隣の住民や通行者への配慮をしよう

5.日本中で車中泊を楽しんでいる人への配慮をしよう

6.後から利用する人へも配慮をしよう

7.車中泊を認め、便宜を与えてくれる人々への感謝の気持ちを忘れない

8. マナー違反やマナーに欠けていたと気付いたら率直に謝り、改めよう

9. 迷ったり判断しかねたら、とりあえずやめておこう

10. 最後に、良かったことや嬉しかったことは分ち合おう

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【補足】

1.ルールのあるところではルールに従う

例えば、器物損壊、恐喝、あるいは盗電、ゴミの不当廃棄等を禁じているのは、法律または条例であって、車中泊にかかわらず法治国家の一員として守るべきことであるのは言うまでもない。これらはマナー違反と言うよりも法律違反、つまり犯せば犯罪者になる。

いっぽう道の駅や公園の駐車場などでは、管理者の判断でアイドリング禁止、キャンプ禁止、ゴミ持ち帰りなどを決めているところが多く、これらのルールは法律ほど厳しくはなく、場所によって内容もさまざまだ。

それでもその場所を利用するのであれば、定められたルールを守ることが優先される。他と比較して納得がいかなくても、今守らなくて良い理由にはならない。

2. 周囲にいる人達に迷惑をかけない

周囲にいる人々にはいろいろな立場、考え方の人がいることを心得ておく必要がある。

自分ならこのくらいのことなら気には留めないと思うようなことでも、周りには嫌だと思う人がいる可能性がある。たとえば、管理者が車外炊事を認めている場所でも、周囲にはそれを嫌う人がいることもある。

ゆえにそういう場所でも周囲をよく観察し、控えめな判断をすることが肝要だ。特に音や臭いには気を使おう。

3.その場所の所有者・管理者の意向を推察し、それにこたえる行動をとろう

そこで車中泊をしてもよいか、車外炊事はどうか、トイレ・洗面所の使用はどうかなど、その場所のルールが明示されていない場合には、管理者の立場になって想像してみよう。

完璧な推察は無理でも、ある程度の察しはつく。

ファジィになることは避けられないが、もともとマナーにはファジィな面があるうえ、多くの管理者はある程度のファジィを許容してくれるし、許容しない管理者はルールとしてはっきり明示している場合が多い。

4. 近隣の住民や通行者への配慮をしよう

駐車場の管理者が了解していても、近隣の住民がそれを認めるかどうかは全く別である。通行人を含めた近隣の人が、最低限の黙認をしてくれることが必要である。特に発電機を使う、アイドリングをする、車外で賑やかに歓談する、など近隣の人に迷惑になることは自ら避けよう。

また車中泊をするだけで、不審車が停まっていると思われることもある。当人にとっては心外かもしれないが、近隣の住民から見れば、ひとたび不審車と思えば、不安に駆られ、警察への通報もやむ無しとなる。これも近隣の住民の立場になって考えれば、十分理解できる話であろう。

5. 日本中で車中泊を楽しんでいる人への配慮をしよう

同じ日に北海道から九州にいたるさまざまな場所で、車中泊をしている人達がいる。

たとえ北海道にいても、九州で車中泊に関する事故や事件が起きてマスコミ沙汰になれば、全く影響なしには済まされない。特に傷害や窃盗の場合は深刻だ。せめて車窓を目隠しするくらいの防犯意識は必要である。

6.後から利用する人へも配慮をしよう

車が去った後の駐車場や使用後のトイレ・洗面所にゴミが散らかっていたり、汚れていたりすれば、誰でも不快に思うものだ。使用後に来た時よりもきれいに掃除する人の真似はできなくても、汚してしまった時は後始末をしよう。また自分がしたことでなくても、気づいた時点で管理人に知らせるだけでも構わない。

7.車中泊を認め、便宜を与えてくれる人々への感謝の気持ちを忘れない

今でも日本で車中泊が公認されている場所は、RVパークとオートキャンプ場くらいのもので、それ以外では道の駅を含めて、施設の所有者・管理者の判断で黙認されているのが現状だ。中には道の駅は車中泊のために設けられたものではないと公言する人もあるだろう。またそういうことを気にする人の中には、車中泊を後ろめたいと感じる人もいよう。

しかし常識的な判断に基づき、マナーを守って車中泊をするのであれば、後ろめたいと感じるよりも、新しいカタチの個人旅行を楽しんでいる者として、便宜を与えてくれる人、理解を示してくれる人への感謝の気持ちを持つことこそが大切だ。

楽しいからこそ守るべきものに気づき、それがマナーを向上させ、便宜を与えてくれる人の気持ちに応えることに通じていく。周囲を変えるのは、いつの時代もプラス思考である。

8. マナー違反やマナーに欠けていたと気付いたら率直に謝り、改めよう

マナーには完全無欠な正解はないし、終着点もない。

時、場所、状況によって異なる行動が評価される場合もある。ゆえに折に触れ、これで良かったかと振り返り、自分のマナーを向上させる努力が大切だ。その結果、間違った、至らなかったと感じた時は、率直に認め、謝り、改めるようにしよう。

9.迷ったり判断しかねたら、とりあえずやめておこう

いろいろな場面で迷ったり、判断しかねることはよくあることだ。それをすることがマナー違反にならないか、迷惑をかけないだろうか、などで判断に迷う時には、とりあえずやめておくのが無難である。

ただし人命にかかわるようなことが絡んでいる場合は、マナー違反に躊躇することなく実行すればよい。どんな場合でも大局的判断が大切だ。

10. 最後に、良かったことや嬉しかったことは分ち合おう

「車中泊スポットを多くの人に知られたら荒らされる」などと考えるのは愚かなことだ。

良い場所を多くの人が知り、そこで本当に快適な車中泊を体験することで、車中泊旅行者の目が肥え、やがて市場全体のクオリティーが引き上げられる。全ての成長はプラス思考から始まる。

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